社会的、世界的評価が高くてもその信頼を失わせる行為は悲しい

7月初旬、あるところでテレビを家財宅急便でお送りいただいた。
届いたときには破損。
梱包されたテレビの裏側が「テレビ画面側」と記して丁寧に養生して梱包されていた。
それに比べると反対側は心もとない。


液晶が破損していた。


そして着店の支店に電話したものの、未だに処理が完了していない。
着店の担当の社員だけでなく支店の方の対応があまりにも悲しすぎる。


示談書、ならびに請求書の受取人、当事者(甲)の個人情報が自分のではなかった。
「他人の個人情報であるので、きちんとその方にはごめんなさいしてね」
と電話で話す。
交代勤務の関係上ここまで数日を要した。
それで事故担当者から直接「私のところへ挨拶に行きましょうか?」との電話。
そんな時間があるのだったら、私の知っている人が住む被災地福島へ送るものに力を注いでいただきたかった。
当方への来所不要。それよりスワンべーかりーのケーキを某所用に手配していただけないだろうかとお伺いを立ててみた。
「力になります」というような力強い答え。安心した、頼もしく思った。
そして新たに届いた示談書。
また当事者(甲)の名前が違う。
もう四ヶ月。
その担当の方も他のことで疲れてしまったのかもしれない。
悲しい。


(ヤマトホールディングスさまの)社訓
一、ヤマトは我なり
一、運送行為は委託者の意志の延長と知るべし
一、思想を堅実に礼節を重んずべし


福島では知人が被災者としてお世話になった。
それはとてもとても大きい力だった。


下記に引用するようなことができる会社なのに、本業でこのような状況。


こういう状況はあまりにも悲しすぎる。(T_T)




2012年11月04日(日)infoseek楽天ニュースより
http://news.infoseek.co.jp/article/postseven_151824
被災地に142億円寄付のヤマト社長「米株主は好意的だった」- NEWSポストセブン(2012年11月3日16時00分)
「宅急便1個につき10円の寄付」で集めた142億円を復興・再生事業に。日本中を驚かせたヤマトホールディングス・木川眞社長の決断には「震災復興を契機に新しい日本を作ろう」という強いメッセージが込められていた。

 * * *
 阪神・淡路大震災などこれまでの災害復興では国が中心になり、民間はそれぞれが自分のために努力して乗り越えてきた。

 しかし、東日本大震災は違う。被災地に何度も足を運んだが、その惨状を見たら、「これまでのやり方は通用しない。国、自治体、民間企業、そして個人というすべての主体が参画し、最大限の責任を負わなければ日本は再生できない」と思わずにいられなかった。

 では、どうすれば民間企業として最大限の貢献ができるか。運輸業の社会的責任として物流を復旧し、救援物資を届けるのは当然として、それだけで十分と言えるのか。

 壊滅的被害を受けた東北地方には農産物・水産物の生産拠点が多数あり、長年にわたって「クール宅急便」を大きく育ててくれた地域である。その恩返しをしなければ、と思った。
 
 そこで考えたのが「宅急便1個につき10円を1年間積み立てて寄付する」という支援だった。1回で出すのは難しい金額でも、年間で取り扱う約13億個の荷物につき1個10円を積み立てていけば可能になる。それだけでなく、宅急便を利用されるお客様にも、復興支援に参画していただけることになる。

 ――最終的に積み立てた142億円以上の寄付金は、ヤマトグループの純利益の約4割に相当する。巨額なだけに、木川社長は株主が納得してくれるかどうかを懸念していた。

 震災直後から、被災地の社員たちは自主的に救援物資の配送をボランティアで始めていた。そして現場の社員の動きに呼応する形で、本社も「救援物資輸送協力隊」を組織した。被災地での奮闘を他の社員たちは知っていたから、寄付の提案には社員の家族も諸手を挙げて賛成してくれた。

 しかし、株主は何と言うか。まして、弊社株の約3割はヘッジファンドを含む外国人投資家が保有している。短期的な収益を重視する彼らから、株主代表訴訟を起こされる恐れすら抱いた。

 しかし、アメリカに飛び、株主に寄付を説明すると、意外にも極めて好意的に評価してくれた。あるヘッジファンドのマネジャーは「もし文句を言う奴がいたら、俺のところに連れてこい」と言ってくれたほどだ。短期的投資を行なう彼らさえ、社会貢献が投資対象の価値を高めるということを十分理解していたのだ。

 関門はさらにもう一つあった。私たちが目指したのは「使い途が見える」「スピードが速い」「効果が高い」支援だ。寄付ならば、1円たりとも無駄にせず、直接的に被災地の水産業や農業の再生、壊滅した生活基盤の復興に使いたい。

 そのためには、どの案件に拠出するかも自分たちで決めたい。使い途が見えなくては、社員や株主、寄付をしてくれた人に説明責任が果たせないからだ。

 しかし税法上、使い途を自社で決めるような寄付活動は営業活動と見なされるケースがある。すると、通常の法人税がかかり、142億円の寄付ならば、半分近くを税金として納めなくてはならなくなる。そこまでではなくても、専門家には「無税化は難しい」と早い段階から言われていた。

 それでも諦めずに、私たちの志を財務省に伝えて1か月半の交渉をした結果、税金として取られることなく全額を復興事業に使えるスキームが実現した。弊社の歴史は行政と規制緩和をめぐり戦ってきた歴史とも言えるが、今回は財務省も前向きに取り組んでくださった。

 画期的なスキームが実現したことで、企業による新しい寄付文化が生まれるきっかけができた。実際、同様のスキームを利用して寄付をした企業があると聞いている。

※SAPIO2012年11月号